さくらインターネットでNFS共有をWindowsにマウントする方法
1. 前提条件
- さくらインターネットの専用サーバ/VPSで
/etc/exports
が編集可能であること - Windowsマシンに「NFSクライアント」がインストールされていること
- Windowsのレジストリに
AnonymousUid
とAnonymousGid
が 0 に設定されていること(後述)
2. NFSのエクスポート設定(さくら側)
/etc/exports
に以下のように追記します:
/home/share 192.168.1.0/24(rw,no_root_squash,sync)
設定後は exportfs -ra
コマンドで反映してください。
3. Windowsでのマウント手順
コマンドプロンプト(標準ユーザーでOK)で以下を実行します:
mount \\192.168.1.100\home\share X:
正常にマウントされると X:
ドライブにNFS共有が表示されます。
4. Windowsレジストリでの UID/GID の設定
NFSマウントで書き込みを行うには、Windowsクライアントの匿名ユーザー(anonymous user)を UNIXの root(UID=0/GID=0) にマッピングする必要があります。
手順:
- Win + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
regedit
と入力してレジストリエディタを起動- 以下のパスへ移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ClientForNFS\CurrentVersion\Default
Default
キーの右側で右クリック →「新規」→「DWORD (32ビット) 値」- 以下の2つを作成し、値をどちらも 0 に設定:
AnonymousUid
(値のデータ:0
)AnonymousGid
(値のデータ:0
)
- 設定後、NFSドライブを再マウント
補足: 設定確認にはコマンドプロンプトで mount
と入力し、以下のように表示されていれば成功です:
UID=0, GID=0
5. 自動マウント用バッチファイルの作成
以下の内容で mount_nfs.bat
を作成します:
@echo off
mount -u X:
timeout /t 5 >nul
mount \\192.168.1.100\home\share X:
echo %date% %time% Mounted >> C:\nfs_mount_log.txt
6. タスクスケジューラで自動マウント設定
- 「タスクスケジューラ」を開く
- 「基本タスクの作成」→ 名前「NFS自動マウント」
- トリガー:「ログオン時」
- 操作:「プログラムの開始」→
C:\Scripts\mount_nfs.bat
- 詳細設定で「最上位の特権で実行する」にチェック
7. トラブルシューティング
- UID/GIDが
-2
になる → レジストリ設定ミス - FileMakerなどからパスが無効と言われる → UNCパス(例:
filewin://192.168.1.100/home/share
)を使う - NFSが安定しない場合 → SMB(Windows共有)に変更することも検討
まとめ
さくらインターネットのNFS機能を活用すれば、Windows側でもドライブ感覚でファイル共有が可能です。FileMaker Serverのバックアップ先にも設定できますが、サービスアカウントやUNCパスの扱いには注意が必要です。